【読後感想】小説 騙し絵の牙(だましえのきば)大泉洋さんをあてがきして書かれた小説

この小説は主人公を大泉洋に設定して書かれたものです。

登場人物をを具体的に決めて書くことを「あてがき」という。

僕もはこのお話は、映画があることを先に知っていました。

とても気になっていて見たい映画だったのですが、まずは小説はを読んでから映画が見ようと思って読みました。

映画を見てから小説を読むと、どうしても映画の印象に引っ張られてしまうので大泉さんがチラチラしてしまうと思っていました。

映画は見ていないのに、小説を読んでいると大泉さんがしゃべっているように思えました。

まさにあてがきでした。

騙し絵の牙 あらすじ

大手出版社「薫風社」で、カルチャー誌トリニティの編集長を務める速水輝也。
出版業界の不振の中、速水は笑顔とユーモアで編集部員を鼓舞、売り上げを何とかキープしていた。
会社の改革ため、採算の上がらない紙媒体をなくして、売り上げ重視に経営の舵を切りはじめた社長派。
文芸作品を重視し、若い作家の作品を発表する場所が必要である、作家に寄り添った雑誌作りを進めることが業績をアップさせると考える専務派。
とうとうトリニティにも廃刊のうわさが流れ始めたころから、速水の運命も動き始める。
誰よりも小説を愛し、編集の仕事に情熱を傾ける速水。
その裏側でもう一つの顔が動き出す。

「あてがき」という手法

主人公は大泉さんをイメージして小説が書かれています。

大泉さん主演の小説なのです。

セリフの一つ一つが大泉さんの口調で、小説を読んでいるだけなのに、大泉さんのしゃべっているところが見えてきます。

これが「あてがき」なのか~。

すごい。

大泉さんなら、そんな動きを取るよね~。

動きも、まさに大泉さんがアドリブをしたらそうなるよね~と思えました。

大泉さんが好きな人なら、読んで欲しい小説です。

大泉さんが、小説を読んでいるだけで動き出します。

編集者という仕事

速水は優れた編集者で、若手作家を何人も発掘してきました。

才能のある作家を発掘し世に送り出す。

作家と編集者が二人三脚となって一つの作品を作り上げていく様子が速水から語られます。

作家の書いた原稿に手直しをする作業がエンピツ

言葉を選びなおしたり、話の展開を見直したりすることで、文章が生き生きと輝きだす仕事。

速水は編集という仕事に情熱を燃やしています。

編集者は作家にゴマを擦って作品をもらう仕事だと思っていました。

編集者の仕事が情熱的で創造性のある仕事なんだと思い知らされました。

作家一人の力だけではいい作品は生まれない。

本当に編集者ってこんなにカッコイイのかなーとも思いましたが、速水輝也はカッコよかった。

あとがき 解説大泉洋

もともとプロジェクトのきっかけは、本書の担当編集者に雑誌「ダ・ヴィンチ」の表紙に出させていただくたびに”何かお薦めの本ない?”と訊ねていたことから。というのも、そこではお薦めの本を一冊選ばなくてはならなくて。その後に続く、”映画化されたら、僕が主演できるような作品をね”という一言も定番だった。…編集者はめんどくなったんでしょうね。
「じゃあ、もう私が大泉さんを主人公としてイメージした小説を作ります。」
それが映像化を見据えた僕の”主演小説”の出発点でした。

解説 大泉洋より

なんとも大泉さんらしい。

主演大泉洋の映像化を前提に、大泉洋をイメージした主人公の小説が書かれる。

不思議なお話が、小説もヒットして本当に映画化されてしまうなんて。

主人公のキャラが大泉さんだったのが、ハマったんだと思います。

劇場版 騙し絵の牙

映画化された「騙し絵の牙」

その映画化したお話を漫画に作り直したものが「劇場版 騙し絵の牙」

無料サンプルが読めたので、ちょっと立ち読みしてみました。

小説とは雰囲気が違うことは分かりました。

どうしても映画見てみたくなりました。

何とか無料で見れないかな~。

小説 騙し絵の牙 まとめ

編集者の仕事カッコよかった。
最後まで結末がわからなかった。
大きく裏切られたが、だまされたとは思わなかった。
速水が最後に語るシーンから、続編があるのかなーとも思った。
映画も合わせて見てみたくなる小説でした。

明日はきっといい日になる。

 
Bitly

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